IPF患者の呼吸機能と大気汚染
お疲れ様です。研修医のReiです。
しばらく当直で記事が書けていませんでした。日曜日の救急外来の勢いはすごいですね。救急外来では緊急度に合わせてトリアージされ、重傷な人ほど優先されるので、待ち時間は平日外来より長いかもしれません。(知らない方が多いです)
今年はすでにインフルエンザBが流行しており、AとBの混合感染の方もいらっしゃいました。インフルエンザで頻回に処方をもらいに救急外来に来院される方が本当に本当に多いので、、泣。感染症コンサルタントの岸田先生の記事を見つけたので貼っておきます。
本日はIPF患者の肺機能と大気汚染の関連についての論文を読んでみました。
http://journal.chestnet.org/article/S0012-3692(18)30092-8/fulltext
Air Pollution Exposure Is Associated with Lower Lung Function, but not Changes in Lung Function, in Patients with Idiopathic Pulmonary Fibrosis
【背景】
IPFにおいて、大気汚染はIPF急性増悪や病勢の進行や死亡率に関連すると言われている。本研究ではIPF患者の呼吸機能検査に大気汚染への曝露がどれほど影響を与えているか調査したものである。
【方法】
Carifornia大学でIPFと診断された患者でまだIPFに対して薬物加療を受けていない群。それぞれ自宅でスパイロメーターを使用し調査開始から40週までの呼吸機能検査を調査した。自宅内で過ごした時間と外出した時間も調査し、週毎にその地域のオゾン(03)、NO2、PM2.5、PM10の数値を測定した。
【結果】
25人が本研究に組み込まれ、平均年齢は73.6歳で84%が男性。32%が非喫煙者であった。PM10への強い曝露歴は予測FVC%の低下と関連する(95%CI -0.73, -0,13 p<0.005)。予測FVC%の低下はNO2(95%CI -0.85, -0.05 p=0.03)、PM2.5(95%CI -0.84 p-0.02)、PM10(95%CI -0.92 p=0.003)の平均値とある程度相関が見られた。しかしFVCの週毎の変化と40週以上の変化は汚染物質への曝露とは無関係であった。
【結論】
汚染物質へ大量に曝露すると呼吸機能低下に関連するが、IPF患者においては呼吸機能は低下させない。