The effect of alcohol consumption on the risk of ARDS CHEST
新年早々、COPD増悪の患者さんがたくさん入院されました。
GOLDのガイドラインを改めて読み直さなければいけないと思う今日この頃です。
The effect of alcohol consumption on the risk of ARDS
http://journal.chestnet.org/article/S0012-3692(17)33280-4/fulltext
アルコールの消費量とARDS発症リスクの相関をmeta-analysisで調べた論文です
Background:もともとARDSは何らかの呼吸器関連疾患を発症した7日以内に出現するびまん性の肺障害であり、ICU入室患者の10.4%が発症しその内の23%が人工呼吸器装着が必要といわれている。また、ARDSの死亡率は44%といわれており、これは1994年頃から変わっていない。アルコールもARDS発症のリスクといわれており、アルコールによる肺胞上皮細胞の障害と肺胞マクロファージの機能低下で、宿主の免疫機構を抑制し肺炎を起こしやすくする。
Methods:
Medline,EMBASE,Web on Scienceで1985年から2015年までの観察研究を言語に問わずピックアップし、調査した。
Results:
17の観察研究(total 177674人)が本調査で調べられ、ほぼ全ての研究においてアルコール摂取によりARDS発症のリスクは増加するという結果であった。(OR=1.89, 95% CI: 1.45-2.48, I2 =48%, 13 studies);
Conclusion:
飲酒はARDSのリスクを上昇させるリスクファクターになるので、入院患者は慢性的なアルコール摂取がないかどうかをスクリーニングする必要性があるかもしれない。