好酸球型のCOPDでメポリズマブ(ヌーカラ®)は効果があるのか? NEJM
Mepolizumab for Eosinophilic Chronic Obstructive Pulmonary Disease
メポリズマブ(ヌーカラ®)は重症喘息に対して現在適応のある抗IL-5モノクローナル抗体であり、アメリカでは気管支喘息、ABPAに対して既に適応がある。
今回好酸球型のCOPDに対してMETREX試験とMETREO試験という2つの試験の解析が出たため、その結果を検討する。
METREX試験では血中好酸球数により836人をメポリズマブと投与する群と投与しない群の2群に無作為に割り付け、メポリズマブ群とプラセボ群で年間のCOPD増悪の発生率を比較している。結果は、メポリズマブ群で有意に年間の中等度〜重度の増悪発生率が低下したという結果だった。
METREO試験では血中好酸球が高い好酸球型のCOPDの患者群で、メポリズマブ300mg投与群とメポリズマブ100mg投与群、またプラセボ群に無作為に割り付けて検討した試験。その結果、メポリズマブとプラセボ群ではメポリズマブ群で増悪発生率は低下したが統計学的な有意差は出なかった。
2つの試験解析結果では、血中好酸球数>300では、年間の増悪傾向がプラセボ群に比較してメポリズマブ群で有意に低い結果が出た。
今後,好酸球型のCOPDの重症症例に対して適応になってくるでしょう。
また、今回の試験によってもともと好中球性の炎症と思われていたCOPDですが、好酸球による気道炎症もあることが裏付けされました。